『ロスト近代――資本主義の新たな駆動因』 橋本努 目次 はじめに 第一章 近代・ポスト近代・ロスト近代 0.はじめに 1.不可能性の時代? 2.「近代」の駆動因 3.「ポスト近代」の駆動因 4.「ロスト近代」の駆動因 5.自然の本来的価値を求めて 第二章 ロスト近代 表層から深層へ 0.はじめに 1.社会の新たな変動がはじまった 2.自己愛消費の終焉 3.情報無料化の時代 4.第三領域の失効 5.シンボリックに発見される「貧困」 6.象徴的「貧困」を克服するために 第三章 格差社会論 ゼロ年代の中心 0.はじめに 1.ゼロ年代の格差論を振り返る 2.論者たちのスタンスからみえてくるもの 3.高齢化ゆえの帰結 4.「ポスト近代」社会の成功ゆえの帰結 4−a.若年労働者問題 4−b.将来世代に希望を託す:子ども格差 5.鈍化した経済ゆえの帰結 5−a.賃金の低下 5−b.成果主義と競争原理の導入 5−c.高学歴ノーリターン問題 5−d.既得権層への不満 6.「ロスト近代」の視点で考える 6−a.可能性剥奪テーゼと物質的阻害テーゼ 6−b.スーパーリッチと相対的貧困率 第四章 北欧型新自由主義の到来 0.はじめに 1.新自由主義化によって成功した北欧諸国 1−a.大きな政府でも経済成長するようになってきた 1−b.北欧諸国の新自由主義化 1−c.アンデルセン・モデルの収斂? 1−d.北欧を目指すならせめてアメリカ並みに? 1−e.フィンランドの教育に学ぶ 2.新自由主義の諸相 2−a.新自由主義の誤解を解く 2−b.新自由主義の諸類型 2−c.論争の収斂としての北欧型新自由主義 3.ロスト近代の社会秩序 3−a.社会的包摂の変容 3−b.子供信託基金 第五章 ローマ・クラブ型恐慌への不安と希望 0.はじめに 1.サブプライムは問題の本質ではない 1−a.「100年に一度」の嘘 1−b.サブプライム問題がなくてもバブルは生じた 2.新自由主義と新重商主義 2−a.パニックは不均衡の累積化ではない 2−b.金融規制を求めるリバタリアニズム 2−c.新自由主義批判の虚実 3.社会構造の理論 3−a.ミンスキーの金融理論 3−b.ルーマンのリスク論 4.ローマ・クラブ型恐慌 4−a.ローマ・クラブの報告 4−b.地球温暖化問題との比較 4−c.祝福を受けた不安 第六章 グローバル化の逆説 0.はじめに 1.グローバリズムの歴史――過去二〇年間を振り返る 1−a.経済 1−b.社会運動 1−c.政治 2.新自由主義の変容 第七章 3・11大震災と原発事故を考える 0.はじめに 1.文明の視点で考える 1−a.明治維新と文明開化 1−b.第二の敗戦 1−c.関東大震災 1−d.水俣病 2.無責任の体制としての福島第一原発事故 2−a.原発事故の責任は誰にあるのか 2−b.「サブ政治」の落とし穴 2−c.原子力安全委員会の場合 3.安楽の全体主義を超えて 3−a.原発のコストをめぐって 3−b.鉄腕アトム問題と現代の「悪」 第八章 グリーン・イノベーション論 0.はじめに 1.原子力エネルギーからの脱却 1−a.長期的な成長の理念 1−b.電力供給をめぐる思想的問題 2.自然エネルギー導入をめぐる思想理念 2−a.第三次産業革命 2−b.自律分散型の技術編成 2−c.コミュニティ(地方自治体)主導の必要性 2−d.自律分散型社会のシナリオ 3.自然エネルギー促進のための制度理念 3−a.税制の理念 3−b.補助金の考え方 4.国と地方の役割分担 4−a.いくつかの先駆的事例 4−b.政府と地方自治体の課題 4−c.自然エネルギー導入の問題点 第九章 ロスト近代の原理 0.はじめに 1.アリストテレス主義の拡張 2.バイオミミクリー 3.環境市民:新たなロマン主義の誕生 4.高貴な野生人としての環境市民 注 あとがき 文献 索引 |